「麻酔がない!」
タイトルは舘ひろしさん主演の映画「免許がない!」に便乗しました。(観ました?私は面白かったです☆)
半年以上前から歯科用局所麻酔薬の不足が続いてます…約4年くらい前から麻酔薬の製造工程にメーカー諸事情で麻酔薬製造中止などを理由に歯科用局所麻酔薬の供給を制限する事態が発端でした。
その後春先には生産量が徐々に回復傾向をチョイチョイみせはじめたのですが、今度は世界情勢の影響で「ナフサがない!」でニュースにあるように石油事情が影響してきました。
「ポテトチップスの袋が白黒に⁉」といった石油事情は医療業界にも影響しており、石油由来の化学原料やプラスチックといった麻酔薬に使うカートリッジ容器のゴム栓や包装の製造に支障が…簡単に言えば麻酔液とビンがあっても「フタがない!」ということです。
歯科用麻酔薬にもいくつか種類がありますが、そんな感じでキシロカインカートリッジやシタネストカートリッジといった歯科医療現場でよく使われる歯科用局所麻酔薬に製造や出荷の規制・停止がかかっている状態と、他麻酔薬への代用購入の集中・殺到で歯科材料ディーラーさんからの予約順番待ち状態と個数制限に問い合わせの毎日…ウチの契約ディーラー営業担当の方も「余裕がない!」とてんやわんやです。
歯科医院によって在庫状況も購入ルートもそれぞれですから「統一性がない!」現状です。
歯科用局所麻酔薬は患部領域を麻酔効果で一時的に感覚を麻痺させ無痛に近い状態にすることで、「痛みがない!」「不安がない!」歯科治療を円滑に行うために活用します。
ところがどっこい、その歯科用麻酔薬の在庫が不足していたらどうするか…在庫は確保してもいつ歯科用麻酔薬が入荷するのかわからない「確証がない!」状況では内容によって歯科用麻酔薬の使用制限や優先順位を設けざるを得ません。
抜歯などの口腔外科治療や歯髄炎への抜髄治療は歯科用麻酔薬を優先的に使いますが、虫歯や歯周病の治療も侵襲度で使用の是非を問わざるを得ません…。
器質的な内容とは別で痛いのが極端に嫌な方や歯の治療が怖いといった方にはどうでしょうか…以前は極小さな虫歯でも麻酔をかけてほしいという希望に応えることもありましたが、歯科用麻酔薬不足のご時世では要相談にもなるでしょう。
今回のブログでは皆様の不安を煽る内容にもなりますことお詫び申し上げます。
同時に医療現場の現状に少しでもご理解とご協力いただけますことを切に願い申し上げます。
仮に歯科医院に歯科用麻酔薬がなかったら…下記の選択肢が挙げられます。
①無麻酔で歯科治療を行う。
②麻酔薬の在庫が補填できるまで治療を保留とする。(オーラルケアによる進行抑制を習慣づける)
③歯科治療に局所麻酔を積極的に行っている他歯科医院で治療を受ける。(歯科用麻酔薬の在庫が十分にある歯科医院)
なんかどれも塩対応じゃね⁉…と思われるかもしれませんが、あくまで治療内容の麻酔優先度を前提とし、個人の格差・差別ではないことをご理解ください。
今回のブログでは皆様の不安を煽る内容にもなりましたことをお詫び申し上げます。
同時に医療現場の現状に少しでもご理解とご協力を賜りたく存じます。
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この件で患者さんからのいくつか質問がありました。
Q1)麻酔薬を他の先生から譲ってもらえないの?助け合えばいいじゃん。
A1)歯科用麻酔薬は「劇薬」「処方箋医薬品」として医療機関同士の薬品の譲渡や売買には厳しい制限があります。
そもそも医薬品の取り扱いは使用も保管も慎重に行う必要があり、基本は資格・届出・許可のもとでの歯科ディーラーからの購入が原則です。
Q2)同じ患者さんでの麻酔の使いまわしは出来ないの?同じ患者さんなら別に感染とか大丈夫じゃない?
A2)同一患者・同一予約枠内での追加麻酔使用は可能ですが、日をまたいでの残り麻酔薬再使用は推奨されておりません。
CDCガイドラインでは局所麻酔のカートリッジと針はイチ患者でのみ使用と示されています。
もちろん他患者への使いまわしは当然禁止されております。
Q3)なんで歯医者さんによって麻酔の在庫状況にそんなに差があるの?「無痛治療」を売りにしている歯医者さんは大変じゃん。
A3)麻酔薬の在庫の格差は色々な理由があると思います。
万が一に備えて余裕を持った備蓄を行っている歯科医院や、元々歯科麻酔薬の使用頻度が高く普段から多めに導入している歯科医院さんはそれなりにあると思いますし…複数の歯科ディーラーと契約している歯科医院は流通の回転率がよいかもしれませんね。
日常の麻酔使用状況や麻酔薬の使用期限を考慮して必要一定量だけ購入・保管している歯科医院や、たまたま購入タイミング前に歯科用麻酔薬不足の波が押し寄せてしまった歯科医院などは今回の問題に悩まされているのではないでしょうか。
あくまで私見ですから、それ以外もあると思います…どこの歯科医院さんもこの問題に真摯に向き合っているのは確かです。
無痛治療といっても歯科用麻酔薬を使う以外にもいくつか治療方法もありますから…でも私もそれ聞いてみたいです。
